2012年1月24日火曜日

読書(13/365)★★★★ 花神(下) 司馬遼太郎著


【今日の出来事】
 本日2冊目のご紹介。花神の下巻。大村益次郎さんはすごい。

【本の紹介】
  (13/365) 花神(下) 司馬遼太郎著 新潮文庫


花神 (下巻) (新潮文庫)花神 (下巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎

新潮社  1976-08
売り上げランキング : 16380

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 【くまの感想】
  続いて下巻を読んでみた。討幕軍総司令官となった大村益次郎さんは
  まさに花神。


  それは、中国の方でははなさかじいさんを意味する言葉なのだそうだ。


  ■ 引用メモ ■
   蔵六は、単に技術者にすぎない。それも西洋式の軍事技術者であった。
   技術は技術そのものとして単独に存在することはない。技術には
   かならず思想がくっついていて、ときに技術そのものが思想である場合
   もありうる。蔵六はみずから意識したかどうか、平等思想の徒であった。
   「百姓である」と自分を規定しているのは、百姓が百姓をひきいてゆく
   から百姓が勇奮するのだ、という機微を言いあらわしているのかもしれない。


   ⇒ これも司馬遼太郎さんの思いがきっと入っているのだと思うが、
    私もその通りだと思う。技術そのものが思想。平等思想。
    とても印象深いセンテンスである。


  ■ 引用メモ ■
   「王政維新てのは薩長人の力なりと世人は思っているようだが、とんでもない
   間違いさ。あれは家康公のはからいよ、いや冗談じゃないよ。慶喜は
   (と呼びすてして)それを知っていたさ、あたしも知っていたがね」


   ⇒ これは勝海舟の言葉であるが、いかにも言いそうな言い回しである。
    全くあり得ないかもしれないが、江戸っ子の見栄なのかもしれない。
    そこがとっても面白い。


  ■ 引用メモ ■
   蔵六に対する稀有な理解者であった木戸孝允は、その日記に、
   「大村はその性格が剛腹であるが、人間に表裏というものがまったくなかった」
    
   ⇒ いかにも冷徹な技術者をイメージできるコメントである。
      いつの世にもこのようなキャラクターの人物がいるものである。

  討幕をしたのち、西南戦争への予想及び、その対策をしっかり
  行いこの世から去っていく潔さは、まさに感動するシーンであった。


 出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

0 件のコメント: