2009年8月1日土曜日

読書① ☆☆☆☆

【今日の出来事】
 まだ暑い日々が続きますが、皆さんは、楽しい夏を過ごしてますか? 我が家は来週から夏休み
 高速料金が安いこともあるので自動車で旅をする予定です。

【本の紹介】
 ① すでに起こった未来 変化を読む眼 P.F.ドラッカー 上田惇生 佐々木実智男 林正 田代正美 訳
    ダイヤモンド社

    


 【読んで印象に残ったところ】
  今回、仕事学のすすめに出演しておられたユニクロの柳井さんがとてもドラッカーに影響を受けているという
  ことを知り、テーマを持ってドラッカーを読んでみることにしました。

  前段 アメリカの政治/経済の特性が述べられ、シュンペータ/ケインズによる経済学の考え方、そして有名な
  マネジメントの役割についての記載。色々なところで書かれた著者の記事やレポートを組み合わせ翻訳
  されている構成となっている。 1970年近辺の記載とはいえ、確かに古さを感じない。

  今後私自身が振り返るためにマネジメントの前提箇所メモしておこう。

  【旧来のマネジメントの前提】

  前提1 マネジメントとは、企業のマネジメントを意味する。企業は、社会において特別の例外的存在である。

  前提2 マネジメントの社会的責任、すなわち経済的な計算外の関心事は、マネジメントにとって目標や
       責務ではなく、制約であり束縛である。社会的責任は企業活動とは無関係であり、マネジメント本来の
       仕事とは別のものである。同時に、企業は例外的な存在であるがゆえに、企業だけが社会的責任
       をもつ。そこで「企業の社会的責任」という言葉が出てくる。大学・病院・政府機関などは、伝統的な     
       見方に従えば、いかなる社会的責任ももたない。

  前提3 マネジメントにとって主要な責務、おそらく唯一の責務は、既知の限定された課題を達成するために、
       企業組織のエネルギーを動員することである。マネジメントは、すでに行なわれていることを行なう
       効率と、外部の変化に対する適応力によって評価される。体系的な研究開発活動は別として、
       企業家精神やイノベーションは、マネジメントの領域の外にある。

  前提4 マネジメントは、肉体労働者に対して関心をもつ。資源として、コスト要因として、社会的な問題として、
       個々の働く人間の問題として、熟練・未熟練工を問わず、肉体労働者に対してのみ関心をもつ。

  前提5 マネジメントは1つの科学であり、少なくとも1つの体系である。算数の計算や物理の法則や工学の
       圧力表と同じように、文化的な価値や個人の信条からは独立したものである。しかしマネジメントは、
       1つの国の中で行なわれ、その文化に根ざし、その法律によって制限され、その経済の一部をなす
       ものである。

  前提6 マネジメントは、経済発展の結果として誕生した。

  
  【新しいマネジメントの前提】
  前提1 先進工業社会では、重要な課題はすべて、組織されかつマネジメントされた機関において遂行される。
       ・・・
  前提2 今日、社会は急速に組織社会となりつつある。そのため企業を含むあらゆる組織が、生活の質に
       生活の質に責任をもつべき存在となっている。もはや社会の基本的な価値・信条・目的の実現は
       あらゆる組織にとって、その組織の主たる機能の外にある制約条件として果たすべき社会的責任
       ではなく、継続して行なうべき本業の目標でなければならない。あらゆる組織が、生活の質の向上
       を実現することを自らの主たる活動において目指さなければならない。
       特に企業においては、マネジメントの力によって、生活の質の向上の実現を企業活動上の機会と
       してとらえ、利益のあがる事業にしなければならない。

  前提3 先進国・途上国を問わず、マネジメントにとって、企業家精神によるイノベーションが、管理的な機能と
       同じように重要な意味をもつようになる。
       これからは、企業家精神によるイノベーションの方が重要になるかもしれない。19世紀と異なり、
       企業家精神によるイノベーションは、企業をはじめとする既存の組織において、ますます重要になってくる。
       したがって、企業家精神によるイノベーションは、マネジメントの域外、あるいはマネジメントの
       周辺に位置するものと考えることはできなくなる。企業家精神によるイノベーションこそが、マネジメントの
       本質であり、中核となる。

  前提4 今後数十年にわたって、先進工業国におけるマネジメントの主要な任務は、知識を生産的にすることである。
       肉体労働は昨日のことであり、そこでできることは守ることでしかない。今日、先進工業国の経済にとって、
       基本的な資源、基本的な投資、そしてコスト・センターは、手工業的な技能や肉体を使う人間ではなく、
       正規の教育から学んだ概念・知識・理論を使う知識労働者である。

  前提5 マネジメントに手法や技能は存在する。マネジメントの概念や原則は存在する。マネジメントという共通用語
       は存在する。さらには、マネジメントという普遍的な体系さえ存在する。たしかに、我々がマネジメントと予備、
       あらゆる先進工業社会で共通の目的に資する世界的に一般的な機能は存在する。
       しかし、同時に、マネジメントは文化であり、価値観と信条の体系でもある。マネジメントとは、それぞれの
       社会が自らの価値観と信条を生産的なものとするための手段である。
       実にマネジメントは、急速に世界的なものとなりつつある文明と、多様な伝統・価値観・信条・遺産を表す
       文化とのかけ橋でもある。まさにマネジメントこそ、文化的な多様性を人類共通の目的に奉仕させる手段と
       なるべきものである。

  前提6 マネジメントとは、経済的・社会的発展をもたらす。経済的・社会的発展は、マネジメントの結果である。

  夏のテーマ「マネジメントを考える」としたいと思う。今後日本が世界的にも存在感を出していくためにはどうすれば
  いいのだろうか?政府が悪いのだろうか?仕組みが悪いのだろうか?生活レベルにも落とし込みながら考えて
  いきたい。
  
  著者は非常に日本の組織、文化に興味を持っておられところどころにその日本企業や文化の分析があり
  とても興味深い。

  また読み返したい一冊。ありがと。


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