2011年10月3日月曜日

読書(259)★★★ 希望格差社会 山田昌弘著


【今日の出来事】
  みなさん。こんばんは。今日は久々の日本での仕事でした。
 秋もすっかり深まり、いい秋にしたいと思っています。

 読書も仕事も深めていきたいな!
 

 『今日の(よかった)from 陽転思考』
  ■ 日本での週初め、順調で「よかった」

【本の紹介】
  (259)  希望格差社会 山田昌弘著 筑摩書房
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く
山田 昌弘

筑摩書房  2004-11
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 【本の構成】
  はしがき   先が見えない時代に
  1  不安定化する社会の中で
  
  2  リスク化する日本社会   現代のリスクの特徴
   2-1 リスクとは何か
   2-2 生活リスクの時代的変化
   2-3 リスクの普遍化  現代社会のリスクの様相
   2-4 リスクの個人化(自己責任の強調) 現代社会のリスクの様相
  
  3  二極化する日本社会 引き裂かれる社会
   3-1 二極化とは何か
   3-2 格差の時代的変遷
   3-3 現代社会の格差の特徴
   3-4 リスク化と二極化の相互連関
  
  4  戦後安定社会の構造 安心社会の形成と条件
   4-1 「確実性」と「成長」の両立
   4-2 企業社会の発展
   4-3 サラリーマン 主婦型家族の形成と安定
   4-4 パイプラインとしての学校教育制度の成功
   4-5 高度成長社会のまとめ
  
  5  職業の不安定化 ニューエコノミーのもたらすもの
   5-1 不安定化する職業生活
   5-2 産業構造の転換  二極化する雇用
   5-3 夢見る使い捨て労働者
  
  6  家族の不安定化 ライフコースが予測不可能となる
   6-1 家族関係のリスク化
   6-2 家族の二極化
   6-3 家族のリスク化、二極化がもららすもの
  
  7  教育の不安定化 パイプラインの機能不全
   7-1 教育問題への視点
   7-2 現代日本の教育問題の根幹 パイプラインの漏れ
   7-3 現代日本社会における学校教育システムの崩壊
   
  8  希望の喪失 リスクからの逃走
   8-1 若者の意識は変わったのか
   8-2 希望とは何か
   8-3 希望の消滅?
   8-4 リスクからの逃走
  
  9  いま何ができるのか、すべきなのか
   9-1 社会改革の必要性
   9-2 個人的対処の限界
   9-3 公共的取り組みの再建
 
  文献目標
  あとがき
 
  という構成となっている。

 【キーワード】
希望格差社会とは?   

 【くまの感想】
  私はこのキーワードをどこかで聞いたことがある。そして気になり
  手にとってみた。はっきり言って読み終わると不安な気持ちになり
  盛り下がる。しかし、この現状を打開してこそいい社会が生まれる
  と信じたい。きっと贅沢な悩みなのかもしれないが・・・

  ■引用メモ■
  日本社会は、将来に希望がもてる人と将来に絶望している人に
  分裂していくプロセスに入っているのではないか。これを私は、
  「希望格差社会」と名付けたい。一見、日本社会は、今でも経済
  的に豊かで平等な社会に見える。フリーターでさえ、車やブランド
  ・バッグをもっている。しかし、豊かな生活の裏側で進行している
  のが、希望格差の拡大なのである。

  → これはいいことであるのか?心配すべきことであるのか?
    よくわからない。絶望している人。あきらめている人。そんな
    人が増える社会は寂しいものである。

  ■引用メモ■
  若者の職業の不安定化現象には二つの大きな誤解があると
  著者は述べている。

  1つは、このような雇用の不安定化が生じたのは、日本経済の
  不況が原因であり、景気が回復すれば、自然と問題は解決する
  という誤解である。

  もう1つは、若者は、企業に縛られることを嫌い、自分のやりたい
  ことをやるために、「好きで」不安定雇用を選んでいるのであり、
  定職に就かせようなどと考えるのは余計なお節介であるという
  誤解である。

  → 確かに二つの誤解。私もそのようなイメージを持っていたこと
    は確かである。この誤解が解けないことには、社会は変化
    していかないという。これもまた寂しい話なのだ。

  後半はとても専門的なデータをもとに分析が繰り広げられている。
  ただし、起こっていることを理解することが充分できた。

  そして、

  なんだか、寂しい想いが残るのである。なんとかいい社会へと
  していきたいものである。


 出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

2 件のコメント:

みーやん さんのコメント...

私も未来については不安でいっぱいです。。。
でも。。。
未来が不明確であるから,夢が持てて,希望が持てる。
未来が明確であれば,夢も希望もなく,ただ安定した毎日が続く。
だから人は変化を求め,夢や希望を求めるような気がしました。
歳をとると(安定した生活をしていると)、植物やペットや子供や変化のあるものに,こころをひかれるのも,安定した毎日からの「飛躍」なのかもしれませんね。
「未来は不明確」という事実をどう受け止めるか。。。
陽転思考でいきましょう!(^^)
みーやんより

読書のすばらしさを伝えたい。 さんのコメント...

みーやんさん
 いつもコメントありがとうございます。
 感謝!

 日本はきっとワンランクアップしたの
 だと思いますね。戦後の先輩たちは
 がむしゃらに働いてきた方ばかり。

 今はそれには満足できない。ひとも
 いますね。

 陽転思考 日々心がけたいですね。

 by Kuma