2012年8月12日日曜日

読書(142/365)★★★ 風の叉三郎  宮沢賢治著

【今日の出来事】
 本日3冊目のご紹介は、宮沢賢治さんの作品。

【本の紹介】
(142/365) 風の叉三郎 宮沢賢治著

新編 風の又三郎 (新潮文庫)新編 風の又三郎 (新潮文庫)
宮沢 賢治

新潮社  1989-02
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【くまの感想】
 なんとも不気味な転校生。それはひょっとするとどんどんイメージが
 膨らんでいくだけなのかもしれないが・・・こんな話なんとなく誰にでも
 あるような・・・ないような・・・

 そんな気持ちになるから不思議なのだ。

 ■引用メモ■
  そのしんとした朝の教室のなかにどこから来たのか、まるで顔も知ら
  ないおかしな赤い髪の子供がひとり、いちばん前の机にちゃんと
  すわっていたのです。

  ⇒ 不思議な登場なのだ。未知なる転校生。しんとした朝の教室って
   いうところが好きな表現だ。

 ■引用メモ■
  そのすぐうしろから、さっきの赤い髪の子が、まるで権現さまの尾っぽ
  持ちのようにすまし込んで、白いシャッポをかぶって、先生について
  すぱすぱとあるいて来たのです。

  ⇒ まるで権現さまの尾っぽ持ちのようにすまし込んで・・というところが
   とっても面白い比喩であり、その不気味なイメージをさらに加速させて
   いる気がする。

 ■引用メモ■
  一郎がそこで両手でぴしゃんと打ち合わせて、だあ、と言いました。
  するとにわかに七匹ともまるでたてがみをそろえてかけ出したのです。
  「うまあい。」嘉助ははね上がって走りました。

  ⇒ 馬の表現を7匹にしているところが興味深い。ぴしゃんという音が
   一斉に順をなすようにちっぽけにサイズが小さくなるイメージが出る。

 ■引用メモ■
  もう叉三郎がすぐ目の前に足を投げだしてだまって空を見あげている
  のです。いつかいつものねずみいろの上着の上にガラスのマントを
  着ているのです。それから光るガラスの靴をはいているのです。

  ⇒ まったくありえない話なのであるが、あるような気持ちになるから
   不思議なのだ。

    

出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

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