2012年8月5日日曜日

読書(136/365) ★★★★ 蟹工船 小林多喜二著

【今日の出来事】
 本日2冊目のご紹介は、蟹工船。


【本の紹介】
(136/365) 蟹工船 小林多喜二著

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二

新潮社  1954-06
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【くまの感想】
 閉ざされた独特の世界。蟹工船 とっても具体的な人間関係から
世の中の状況までを言い表せられた物語はとっても印象が残る。

■引用メモ■
「分かっているもののあるだろうが、云うまでもなくこの蟹工船の事業
は、ただ単にだ、一会社の儲仕事と見るべきではなくて、国際上の
一大問題なのだ。我々が―我々日本帝国人民が偉いか、露助が
偉いか。一騎打ちの戦いなんだ。

⇒ とっても印象深い。一文であった。蟹工船 されど一国の代表の
感で取り組むこの感覚が伝わってくる。

■引用メモ■
酔払った駆逐艦の御大はバネ仕掛けの人形のようなギクシャクした
足取りで、待たしてあるランチに乗るために、タラップを下りて行った。
水平が上としたから、カントン袋に入れた石ころみたいな艦長を抱えて
殆ど持てあましてしまった。

⇒ イメージの域であるが、なんとなく印象に残ったセンテンスなのだ。
たとえが面白い。

■引用メモ■
身体が蟹の汁で汚れる、それがそのまま何日も続く、それでウジか
南京虫が湧かない「筈」がなかった。

⇒ あまりにも具体的すぎてイメージが広がりすぎる。文章ってすごい。


小説って、作り話なのでこれまで正直敬遠してきたのであるが、こうやって
読み込んでいくと面白い。その表現から想像する世界がなんとも独特なのだ。

そんな発見があった。


出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

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