2012年12月24日月曜日

読書(205/365)★★★★ 希望格差社会 山田昌弘著

【今日の出来事】
 MerryXmas
日本人は不思議ですね。クリスチャンでもないのにクリスマスで
 お祝いをする。
 
 お祭りが好きなのでしょうかね?
 我が家も、ケーキ、夜は鳥の手羽を食べました。

 今年もあと少しになりました。


 『今日の(よかった)from 陽転思考』
■ 日本での家族とのクリスマスが過ごせて「よかった」


【本の紹介】
(205/365) 希望格差社会 山田昌弘著

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫)希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫)
山田 昌弘

筑摩書房  2007-03
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【本の構成】
  はしがき  先が見えない時代に
  
  1  不安定化する社会の中で
  2  リスク化する日本社会 現代のリスクの特徴
  3  二極化する日本社会  引き裂かれる社会
  4  戦後安定社会の構造  安心社会の形成と条件
  5  職業の不安定化    ニューエコノミーのもたらすもの
  6  家族の不安定化    ライフコースが予測不可能となる
  7  教育の不安定化    パイプラインの機能不全
  8  希望の喪失       リスクからの逃走
  9  いま何ができるのか、すべきなのか

  文献目録
  あとがき
  解題にかえて 文庫本あとがき

  という構成となっている。

【キーワード】
  希望格差社会とは?
  リスク化と二極化


【くまの感想】
  この本は2004年に書かれている。今その状況は継続している
  ように思う。希望格差社会、それは次の世代を担う日本の若者
  にとって乗り越えないといけないことなのかもしれない。

  著者は大きく2つに要因分析を行う。

  そう、

  リスク化

  と

  二極化

  これに尽きる。今起こっている現象が日本にとっていいことなのか?
  変革が起こる前の初期症状なのか? それは誰にもわからない。

  でも今起こっていることは確かなのである。

  それを知ることは重要でこの本はそれを教えてくれるのである。

  ■引用メモ■
   若者へのインタビュー調査を行っている時、国民年金の掛け金を
   払っていないフリーター(30代前半、男性)に出会った。そこで、
   老後の生活はどうするつもりかと聞いたら
   「5年後の生活の見通しも立たないのに、50年後の生活の心配
    ができますか」と言われてしまった。

   ⇒ この言葉が非常に印象的なのだ。実際の声なのだ。

  ■引用メモ■
   日本社会は、将来に希望がもてる人と将来に絶望している人に
   分裂していくプロセスに入っているではないか。これを私は
   「希望格差社会」と名付けたい

   ⇒ まさに今も起こっている実感がある。

  ■引用メモ■
   現代日本社会では、生活に対する「保証」が急速に失われ
   つつある。学歴をつければ大丈夫、大企業に入れば大丈夫、
   結婚すれば大丈夫とは言えなくなっている。生活のあらゆる
   領域にリスクが広がる状況、これをリスク化と呼ぶことにする。
   それは、戦後日本が築いてきた安心社会の終焉でもある。

   ⇒ 少し怖くなってくるがこれは、事実。受け止めねばならない。

  ■引用メモ■
   現在、もっともリスクが高い労働者である「フリーター」や
   失業者は、まとまって行動することはできない。なぜなら、
   前述したように、現代の普遍化したリスクは、特定の人々
   に集中的に生じるのではなく、確率的に「ふりかかる」もの
   だからである。

   ⇒ なるほど。確率的に「ふりかかる」リスク。考えると
      これほど恐ろしいものはない。

  ■引用メモ■
   うまく行かないのは、本人たちの責任とはいえない。本書
   で論じたように、リスク化、二極化しているなかでの社会
   変化に制度がなかなか追いつかない。その結果、やる気
   が失われる若者が増え、希望格差が発生している。

   ⇒ あとがきより、抜粋。本書の肝とも言えるセンテンス
     である。

 私は、この本を読んで、今もなお継続してこの現象が加速している
 ことを実感するとともに、10年後には日本の社会が大きく変貌する
 危機を感じ、不安となる。古い体質の日本企業。今、色んな企業が
 窮地に追い込まれている。どのように乗り越えるか?ぜひとも考え
 ともに歩んでいきたい。



出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

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