本日2冊目のご紹介は、山崎豊子さんの作品。
【本の紹介】
(134/365) 暖簾(のれん) 山崎豊子著 新潮文庫
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【キーワード】
山崎豊子さんの作品
【くまの感想】
初トライ。ドラマでは山崎豊子さんの作品は有名だ。おもおもしい
雰囲気。少し悲しい場面。人間の欲望と堕落。そんなイメージだ。
しかし、この作品は、必至に生きていく人間模様を感じるのは
私だけだろうか?
戦後のドタバタでひたむきに生きていくこと。
そこを忘れないためにも
こんな作品に触れるのはいいものだな。と思ったのである。
■ 引用メモ ■
同じ百貨店の食料品売り場の中でも、その割り当てられた場所
と陳列台の大きさと台数によって売上が違って来る。取引商店は
この割当場所と面積の確保を争った。孝平は、丁稚あがりの商人
のように、食料品部の課長や係長に卑屈な揉み手やお世辞を
使えず、食料品売り場の片隅へ追いやられたこともあった。どれだけ
よい品物を作り、どれだけ金を持っていても、一介の出入商人に
過ぎなかったのだ。孝平は、商人の辛さを知った。商人の哲学は
「負けて勝つ」である。
⇒ この部分がとっても印象に残ったのだ。なぜだかよくわからないが
とっても印象に残っている。商人の哲学。負けて勝つ。いい言葉だと
思うのである。
■ 引用メモ ■
戦争中の統制経済を境にして、日本の経済の中心は東京に
移ってしまった。しかも中国、満州を失って貿易を中心とする
大阪の商活動、中小企業も火が消えたようになり、大阪の大きな
経済力を握っていた船場の個人商店も復興力を失ってしまって
いる。経済力の殆どの分野が東京に奪われて、かつての商業
都市も無力になっている。そんな経済力の敗北が、微妙に
テレビの画面にまで繁栄しているように、孝平には思えた。
⇒ これも独特の状況を感じることができる部分なのだ。経済の
中心が変化を遂げている。そして、衰退を感じる。時代の変遷
をうまく言い表していると思うのだ。
出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!
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